「タイマッサージと整体、どっちを選べばいい?」と迷っている方向けに、
目的・施術方法・接骨院との違いも含めてわかりやすく解説します。
タイマッサージと整体・もみほぐしの違いを比較
| 項目 | タイマッサージ | 整体・もみほぐし |
|---|---|---|
| 主なアプローチ | ストレッチ・筋膜や腱まわり・リンパや血流のめぐり | 筋肉への直接的な圧・関節まわりの動き |
| 施術の特徴 | 全身をゆっくり伸ばしながら整える | こりや違和感のある部位に集中的にアプローチ |
| 体感 | 伸びる・巡る・全身がゆるむ感覚 | 押される・ほぐされる・部分的に軽くなる感覚 |
| 向いている人 | 全身疲労・体の硬さ・運動不足・リラックスしたい人 | 肩こり感・腰まわりの重さ・部分的な違和感がある人 |
| 注意点 | ストレッチが苦手な方は強さの調整が必要 | 強い圧では、もみ返しのようなだるさや痛みが出る場合がある |

「私も最初『どっちでもほぐれるんじゃないの?』って思ってたんですが、実際に両方試すと全然違いました。整体は『ここを直す』っていう感じで、タイ古式は『全部ゆるめてリセットする』感じ。目的次第でぜんぜん違う施術なんですよね。」
タイマッサージとは
タイマッサージは、タイに古くから伝わる伝統的な施術です。指圧とストレッチを組み合わせながら、全身をゆっくりほぐしていくのが特徴です。
施術者に体を預けながらストレッチを行うため、「二人で行うヨガ」と表現されることもあります。特定の部位だけでなく全身にアプローチし、筋肉のこわばりをゆるめたり、関節まわりを動かしやすくしたりすることを目指します。
また、UNESCOはヌアット・タイについて、タイ伝統医療の一部であり、身体を操作してバランスを整える非薬物的な手技療法として説明しています。(参考:UNESCO "Nuad Thai, traditional Thai massage")
慢性腰痛に対するタイ古式マッサージの研究も複数報告されており、痛みや可動域への影響が検討されています。ただし、これらは医療効果を保証するものではありません。タイマッサージは病気やけがを治す施術ではなく、リラクゼーションや健康維持を目的とした施術として考えるのが適切です。
✅ メリット
- •全身の疲れをほぐしやすい
- •ストレッチで柔軟性向上が期待できる
- •深いリラックス感を得やすい
- •ストレス解消・気分転換になりやすい
- •運動不足による体のこわばりに向いている
⚠️ デメリット
- •ストレッチで痛みを感じる場合がある
- •施術時間が長めになりやすい
- •整体と比べ料金が高くなることがある
- •強い刺激が苦手な方には合わない場合も
タイマッサージが向いている人
タイ古式マッサージに関する研究報告
タイ古式マッサージについては、慢性腰痛や慢性痛を対象にした研究報告があります。ただし研究数は限られているため、効果を断定するのではなく「研究報告がある」程度にとどめるのが適切です。
① 慢性腰痛に対する比較研究
慢性非特異的腰痛を対象に、タイ古式マッサージと関節モビライゼーションを比較した研究では、次のように報告されています。
"equally effective for short-term reduction of pain and disability"
つまり、短期的には痛みや日常生活上の支障を軽減する可能性が示されています。
② セルフマッサージ+ストレッチのRCT研究
タイ式セルフマッサージと自宅ストレッチを組み合わせたランダム化比較試験では、次の結果が示されています。
"decreasing pain and disability and increasing back flexibility"
痛みや日常生活上の支障の軽減、背部の柔軟性向上への影響が検討されています。
③ 慢性痛に関するシステマティックレビュー
慢性痛に対するタイ古式マッサージの効果をまとめたシステマティックレビューでは、次のとおり報告されています。
"six research articles met the inclusion criteria"
慢性痛に関する複数の研究が整理されています。研究数は限られているものの、タイ古式マッサージに関して一定の研究蓄積があることが確認されています。
※ただし、医療効果を保証するものではありません。タイ古式マッサージは、病気やけがを治す施術ではなく、リラクゼーションや健康維持を目的とした施術として考えるのが適切です。

「整体から転向してタイ古式を受けるようになったお客様から『こんなに全身が楽になるとは思わなかった』とよく言われます。整体は『直す』感覚ですが、タイ古式は『整える・解放する』感覚に近いと思います。どちらが優れているというより、求めるものが違うんだと伝えるようにしています。」
整体とは
整体やもみほぐしは、筋肉の緊張を手技でほぐすことを主な目的とした施術です。
肩こり・腰まわりの重さなど、特定の悩みがある部位に集中的にアプローチするのが特徴です。ただし、骨格や関節を手技で構造的に改善するわけではなく、効果の中心は筋肉のこわばりをゆるめること・ストレッチで動きを出すことにあります。
施術後の楽さは感じやすい一方、効果は比較的短期間であることが多く、継続的なケアとの組み合わせが大切です。
✅ メリット
- •肩こりや腰痛にアプローチしやすい
- •姿勢改善を目指せる
- •体の歪みやバランスを整えやすい
- •短時間で受けられる店舗も多い
- •部分施術を受けやすい
⚠️ デメリット
- •施術者・店舗による技術差がある
- •施術内容によっては痛みを感じる場合も
- •リラクゼーション目的だと物足りない場合がある
- •一度で改善を期待しすぎるとギャップが出やすい
整体が向いている人
整体・もみほぐし・接骨院の違い
整体やもみほぐしと似た言葉に、「接骨院」「整骨院」があります。名前は似ていますが、対象とする症状・資格要件・保険適用の範囲が大きく異なります。
🏥 接骨院・整骨院
柔道整復師(国家資格)が対応。骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷など、スポーツや日常生活で起きた外傷への施術が本来の対象です。
養成施設では3年以上の修業が必要で、2018年4月入学生からは99単位以上・2,750時間以上の最低履修時間が設定されています。
💆 整体・もみほぐし
柔道整復師のような国家資格制度はありません。民間資格を持つ施術者もいますが、法律上は資格がなくても開業できるため、施術者によって知識や技術に差が出やすい点に注意が必要です。
接骨院・整骨院で健康保険が使える範囲
柔道整復師の本来の対象は、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などの外傷です。慢性的な肩こりや筋肉疲労、リラクゼーション目的の施術は、接骨院・整骨院で健康保険の対象になるものではありません。
「肩こりを根本的に治したい」「腰痛を治療したい」という目的で接骨院に行く場合も、その症状が外傷によるものか、慢性的な疲労・姿勢習慣によるものかを整理することが大切です。
強い痛み・しびれ・けが・急な腰痛などがある場合は、整体やタイマッサージではなく、まず医療機関に相談しましょう。
もみほぐしで「もみ返し」が起きやすい理由
もみほぐしや整体で強い圧をかけると、筋肉の繊維に微細な損傷が生じることがあります。これが翌日以降に「だるさ」「痛み」として現れるのが、いわゆる「もみ返し」です。
もみ返しは施術中に「気持ちいい」「ほぐれた感がある」と感じているときでも起こります。特に疲れが蓄積しているとき・久しぶりに施術を受けるとき・圧が強すぎるときに出やすい傾向があります。
一方、タイ古式マッサージは筋肉を伸ばす・ゆるめるアプローチが中心のため、強い圧をかけずに全身をほぐすことができます。もみ返しが心配な方・疲れが強い方には、タイ古式マッサージのような刺激の少ないアプローチが向いていることがあります。
もみ返しが心配な方へのポイント
- •施術前に「圧を弱めにしてほしい」と伝える
- •初回は短い時間・弱い圧からためす
- •ストレッチ系のタイ古式マッサージを選択肢に入れてみる
タイマッサージと整体、どっちを選ぶ?
リラックスしたいなら
心身の疲れを癒したい、ゆっくりリラックスしたい、体を伸ばしてスッキリしたい方にはタイマッサージがおすすめです。全身をゆっくりほぐしながらストレッチを行うため、疲労感やストレスが強い方に向いています。
肩こり・腰まわりの重さ・部分的なこりなら
慢性的な肩こり、腰まわりの重だるさ、部分的なこりや違和感がある方には整体・もみほぐしが向いています。気になる部位に集中的にアプローチでき、短時間で受けやすい店舗も多いです。
体が硬い・運動不足なら
普段あまり体を動かさない方や、ストレッチを自分で続けるのが苦手な方にはタイマッサージが向いています。施術者にサポートしてもらいながら体を伸ばせるため、無理なく全身を動かしやすいです。
不調の原因を相談したいなら
「なぜ肩こりが続くのか」「姿勢のどこが悪いのか」など、体の状態を見てもらいたい場合は整体が向いています。カウンセリングが丁寧な整体院を選ぶと、悩みに合った施術を受けやすくなります。
けが・捻挫・打撲など外傷なら
スポーツや日常生活での捻挫・打撲・肉ばなれなど、外傷が明らかな場合は接骨院・整骨院が適しています。柔道整復師(国家資格)が対応します。強い痛みやしびれ・急な症状の場合はまず医療機関へ。

「指名のお客様に聞くと、整体を経験してからタイ古式に来る方が結構います。整体で症状は改善したけど、その後のメンテナンスにタイ古式を使う、という流れが多い。整体とタイ古式は対立じゃなく、使い分けるものだと思います。」
選ぶときの注意点
⚠️ 強い痛みやしびれ・けがは医療機関・接骨院へ
タイマッサージも整体も、医療行為ではありません。強い痛み、しびれ、急な腰痛などがある場合は、まず医療機関を受診しましょう。捻挫・打撲・肉ばなれなどの外傷がある場合は、接骨院・整骨院(柔道整復師)が適切な窓口です。
💬 施術前に悩みや苦手な刺激を伝える
施術中の痛みが不安な方は、事前に「強い圧が苦手」「ストレッチは控えめに」などと伝えておくと安心です。
🕐 料金や施術時間を事前に確認する
タイマッサージは60〜120分、整体は30〜60分程度が一般的です。料金やコース内容は店舗によって異なるため、予約前に確認しておきましょう。

「タイマッサージ・整体どちらも、体に慢性疾患や既往症がある方は事前に医師への相談をおすすめします。本記事はリラクゼーション・健康維持目的の利用を前提としており、医療効果を保証するものではありません。」
まとめ:目的で選ぶ3つの選択肢
タイマッサージ・整体・接骨院は、それぞれ目的と対象が異なります。
タイマッサージ
- リラクゼーション
- 疲労回復
- 柔軟性の向上
- ストレス解消
整体・もみほぐし
- 肩こり・腰まわりの重さ
- 部分的な違和感
- 姿勢が気になる
- 短時間ケア
接骨院・整骨院
- 捻挫・打撲・挫傷
- 骨折・脱臼(外傷)
- 国家資格者が対応
- 保険適用あり(外傷のみ)
自分の目的・症状に合わせて選ぶことで、より適切なケアを受けやすくなります。
「タイマッサージと整体の違い、参考になりましたか?どちらが良い悪いではなく、今の自分に何が必要かで選ぶのが正解です。タイ古式を試してみたい方は、まずお近くのサロンを口コミで探してみてください!」
この記事の監修者
各分野の専門家が内容の正確性を担保しています

田中ユイ
ユーザー代表
都内サロンを中心に5年以上・累計100回超の利用歴を持つタイ古式愛好家。タイ旅行での現地施術体験も複数回あり。「難しい説明をわかりやすく噛み砕く」読者代表として、ユーザー目線の情報発信をサポートしている。

佐藤ミナ
現役セラピスト
都内リラクゼーションサロン勤務2年目の現役セラピスト。月間80〜100名を施術。初めてタイ古式を受けるお客様の不安や疑問に寄り添うことが得意で、「難しいことをわかりやすく」をモットーに活動している。

高橋リョウ
店長経験セラピスト
タイ古式専門店で5年間店長を経験し、現在も現場に立つセラピスト。指名率70%超、新人育成も担当。「資格より技術・技術より人間力」をモットーに、現場のリアルを発信している。

中村ケン
医療メディア
医療・健康メディアの編集責任者として10年以上従事。リラクゼーション・整体ジャンルの監修多数。「効果の誇張や誤解を招く表現をなくし、正確な情報をユーザーに届ける」ことを使命としている。
チカナビ編集部
編集部
「近くのタイ古式ナビ」編集チームが、各専門家の意見を総合して読者に伝えるまとめ役。口コミ・店舗情報・専門知識を横断的に整理し、はじめてでも安心して使えるガイドを届けることを目指している。
参考文献
-
1. The Effectiveness of Thai Massage and Joint Mobilization. International Journal of Therapeutic Massage & Bodywork.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5495387/ -
2. Buttagat V, et al. Effectiveness of traditional Thai self-massage combined with stretching exercises for the treatment of patients with chronic non-specific low back pain: A single-blinded randomized controlled trial. Journal of Bodywork and Movement Therapies.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31987542/ -
3. The efficacy of traditional Thai massage for the treatment of chronic pain: A systematic review.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25682523/ -
4. UNESCO "Nuad Thai, traditional Thai massage" (Intangible Cultural Heritage)
https://ich.unesco.org/en/RL/nuad-thai-traditional-thai-massage-01384 -
5. 厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「柔道整復師」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/173 -
6. 厚生労働省「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html -
7. 厚生労働省資料「柔道整復師学校養成施設指定規則等改正(概要)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000491340.pdf -
8. 国民生活センター「手技による医業類似行為の危害」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002lamn-att/2r9852000002latt.pdf